スタッフ紹介

福留准教授

インタビュー

ご研究のアプローチについて、教えてください。

国際比較研究と歴史研究の2つの方法論を用いて大学・高等教育のあり方について研究しています。学部時代は、教育学に興味を持ちつつも経済学部に進みました。卒業後企業に就職するつもりでしたが、適性や将来について悩む中で、大学で学ぶ意味について考えたいと思うようになり、大学院に入ってから高等教育研究を学び始めました。この分野は必ずしもディシプリンが固まっていない点も面白く、様々なアプローチを学ぶ中で、大学院で教わった先生方の影響もあり、比較・歴史研究に行き着きました。本当の意味での比較研究とは、海外の事象やシステムの背後にある理念の変遷やその国の文化を深く捉えるものでなければならないという思いから、比較研究と併せて歴史の視点を重視しています。

アメリカの高等教育を学ぶことの意義や面白みとは?

福留東土准教授

多くの人が、アメリカの取組やシステムを一種のモデルとして学ぼうとします。アメリカの大学が国際競争の中で確たる地位を築いていることを考えれば、それを目標に、あるいは参考にしながら日本の大学を改革していくという実践的な観点は確かに重要です。しかし、なぜアメリカではそのような事例やシステムが実現し得たのか、ということを理解するためには、より深く歴史を学ぶ必要があります。

さらに、アメリカの大学はそれぞれの大学の性格や所在地(州)、設立者の教育観などによって様相が大きく異なるため、一般論で語ることは非常に難しいといえます。とりわけ、大学の重要な理念として「自由」がありますから、大学は他の教育段階に比べてより多様な取組が生まれやすいのです。

だからこそ、私はモデルとしてアメリカを捉えるのではなく、むしろ大学についての様々な理念や考えが打ち出され、実践され、成功したり失敗したりするダイナミックな場としてアメリカの大学を見ています。できるだけ一般化して捉えようと努めてはいますが、そのこと自体を目的にはしていません。大学に関する多様な考えがどのように繰り広げられていったかを追うことで、大学という理念のダイナミズムが見えてくることが、アメリカの大学を学ぶ一番の面白みだと思います。

授業を通して、学生に期待することは何ですか?

本コースには、大学職員の方や研究者志望の方など、様々な立場やキャリアを持った方が学びに来ます。専門職の方は専門職養成、研究者志望の方は研究者養成、と分けるのではなく、意図的に混ぜ合わせることで、各人が自分にはない観点を学び合い、相乗効果で教育の質を高めたいと考えています。何より、どういう立場の人であれ、大学とは何かを考える上で、自身の手で研究のプロセスを経験することが大事だと思っています。

また、学生には、授業の内容を鵜呑みにするのではなく、そこから考えたことを発信してほしいと思っています。私の授業の目的は、大学に関する知識を習得することではありません。外国の大学について学んだことを材料に日本の大学について考えたり、各人の経験や関心と対話させることに取り組んでもらいたいと思います。