インタビュー

この分野に関わるようになった経緯を教えてください

私はもともと、経営・経済分野の専門家として、会計検査院などで政策効果に関する研究などを行ってきました。その後国立大学財務経営センターに移り、大学の財務・会計分野の研究を始めて10年になります。このコースが立ち上った際に、併任教授としてこちらにも関わるようになりました。

通常の経営・経済分野と、大学経営はどのように違うのですか?

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大学の財務・会計について考えるとき、教育学の観点と経営学・経済学の観点の両方を考える必要があります。大学は、一般企業や官僚機構とは異なる文化で運営されており、その目的も異なる所です。教員は特殊なライフスタイルとキャリアを持ち、その特殊性は高いと言えましょう。

どんな授業を行っているのですか?

まず、このコースに入学される方の「財務・会計」に関する知識や理解はまちまちです。MBA取得者や、財務会計分野で専門的に仕事をされてきた方から、財務諸表の基本的な読み方もわからない方まで、全員のニーズに応える講義を用意するのは大変難しいと感じています。そこで現在は、入学後の半年を基礎分野、その後半年を応用分野と分けて授業を行っています。今後は、基礎と応用をつなぐ力をつけるようなクラスも作れればと思っています。

これから入学される方には何を期待しますか?

やはり財務・会計の基本として、簿記の知識を身につけておくと良いでしょう。また会計学や経営学など、大学1年の概論で扱う程度で良いので、しっかりと基礎的な理解を持っておいてもらえると助かります。

どんな方にこのコースで学んでほしいですか?

一番来て欲しいのは、大学の管理職(学長・学部長)など経営に直接関わっている方ですね。現在の日本の大学では研究者出身の管理職が多く、そういう方は「新たに人から何かを教わる」ことに抵抗がある部分もあるでしょう。しかし、少子化・国立大学の独法化などの影響で国内での競争が激化するとともに、海外の大学との競争も視野に入れて、より戦略的な大学経営が求められる時代は、既に到来していると言えます。

これからの大学を率いていく方には、ぜひ「大学経営」の分析のフレームワークを学んだ上で臨んで欲しいと思います。