授業・履修情報

2011年度シラバス

高等教育論(1)

 

授業科目 高等教育論(1)

開講予定

夏学期 土曜3限 
担当教員 小方 直幸
目的と進め方

 この授業では、大学の理念をテーマに扱う。大学は現在、経営上も機能上も喫緊の課題に迫られている。つまり、現状の認識から大学の方向性を考えることが求められている。しかし、今日議論されていることの中には、以前からくり返し指摘されてきたことも少なくない。また、中長期的にみれば現状追随型の対応が問題を生む可能性もあり、一歩離れた視点から大学とは何かを見つめ直すことにも、一定の意義があると考える。そのため、大学とは何か、大学の理念とは何かについて古典といわれるものを中心にいくつか取り上げ、学習する。なお、この授業は授業前の予習と授業中の作業・意見交換への参加を前提とし、いわゆる講義型の授業ではない。その点を了解した上で受講すること。また、授業の内容・進度は、受講生の状況を見ながら柔軟に変更することがある。

日程と各回の内容

 第1回(4/9) 導入1:「大学とは何かに関するレポートの作成」

 

 第2回(4/16) 導入2:前週に書いた「大学とは何か(大学の理念)」の構造化

 

 第3回(4/23) イギリスの大学論1:19世紀のイギリスの外観

  ○資料:サンダーソン(安原義仁訳)『イギリスの大学改革1809-1914』玉川大学出版部、2003年。

 

 第4回(4/30) イギリスの大学論2:ニューマンの大学論

  ○資料:ニューマン(田中秀人訳)『大学で何を学ぶか』大修館書店、1983年、3-126ページ。

 

 第5回(5/7) イギリスの大学論3:ニューマンの大学論

  ○資料:同上

 

 第6回(5/14) ヨーロッパの大学論:オルテガの大学論

  ○資料:オルテガ(井上正訳)『大学の使命』玉川大学出版部、1996年、3-87ページ。

 

 第7回(5/21) アメリカの大学論1:アメリカ大学の外観

  ○資料:中山茂『アメリカの大学』リクルート出版、1988年。

 ※5/28は五月祭のため休講

 

 第8回(6/4) アメリカの大学論2:フレクスナーの大学論

  ○資料:フレクスナー(坂本辰朗・羽田積男・渡部かよ子・犬塚紀子訳)『大学論―アメリカ・イギリス・ドイツ』玉川大学出版部、2005年、61-221ページ。

 

 第9回(6/11) アメリカの大学論3:フレクスナーの大学論

  ○資料:同上

 

 第10回(6/18) アメリカの大学論4:ハッチンズの大学論

  ○資料:ハッチンズ(田中久子訳)『偉大なる会話』岩波書店、1956年。

 

 第11回(6/25) アメリカの大学論5:ハッチンズの大学論

  ○資料:同上

 

 第12回(7/2)、第13回(7/9)、第14回(7/16)は、第11回までの状況を踏まえて、受講者と相談の上、取り上げる資料を決定する。この他にも候補はあるが、現在想定しているものを以下に例示する。グループごとに異なる資料を分担読みするケースもあり得る。

・カー(箕輪成男・鈴木一郎訳)『大学の効用』玉川大学出版部、1994年。

・ギボンズ(小林信一監訳)『現代社会と知の創造』丸善、1997年。

・デビッド(天城勲訳)『学問の府』サイマル出版会、1982年。

・ヘファリン(喜多村和之・石田純・友田泰正訳)『大学教育改革のダイナミクス』玉川大学出版部、1987年。

・ボイヤー(喜多村和之・伊藤彰浩・舘昭訳)『アメリカの大学・カレッジ』玉川大学出版部、1980年。

・ホフスタッター(井門富二夫・藤田文子訳)『学問の自由の歴史Ⅰ』東京大学出版会、1980年。

・メツカー(新川健三郎・岩野一郎訳)『学問の自由の歴史Ⅱ』東京大学出版会、1980年。

・ヤーラオシュ(望田幸男・橋本伸也・安原義仁訳)『高等教育の変貌』昭和堂、2000年。

 

 第15回 成果:「大学とは何か」に関するレポートの作成