講義題目 | 大学経営政策各論(1) |
開講予定 | 夏学期 |
担当教員 | 荒井 克弘 ・小杉 礼子・ 大森 不二雄 |
授業の目標 | 本授業科目は、大学教育マネジメントに関する知識・能力等の獲得・向上を目標とする。 |
授業の目標・ 概要 | (荒井担当分)戦後日本の大学教育の大衆化と大学入試の変遷について講義を行う。大学入試は常にわが国の教育改革の主要な課題であり、その改革の焦点はほぼ一貫して受験競争の過熱解消に向けられてきた。入試事情が劇的に変わったのは臨時教育審議会の第1次答申「入試の多様化」以降である。’90年代には少子化の影響が進学年齢に及び、同時に大学生の学力低下問題も顕在化してきた。大学入試者選抜の論点は「選抜」から明らかに「教育」へとシフトした。最近では、大学入試という表現さえ「高大接続」にとって変わられた感がある。本講義では、大学入試という観点からわが国の高等教育の変貌を追い、また高大接続の今後に注目する。その議論の過程で、選抜試験とは異なる文脈での教育測定の問題、私学経営の問題にも触れてみたい。 (小杉担当分)労働市場との接続の観点から高等教育を考える。現在の日本の大学教育における職業との関係のとりかたは、日本企業に特有の雇用慣行と相互に影響しながら形成されてきた。労働市場への新規参入者の過半数が高等教育卒業者となり、企業の雇用管理のあり方もグローバル経済化などを背景に変容している現在、高等教育と労働市場との接続は新たな模索段階にあると考える。その現状と課題を検討する。 (大森担当分)大学の国際化について、「国際化」という閉じたイシューの内部で現状と課題を論じるのではなく、高等教育の総体的な変化の趨勢の文脈において、システム・機関両レベルのミッション、教育・研究等の機能、マネジメントやガバナンスの構造等と関連付けながら、国際化について考察する。 |
授業のキーワード |
(荒井1)わが国の大学入試の現状:センター試験・個別試験・入試の国際標準 (荒井2)入試選抜から高大接続への転換:入試改革の変遷(荒井3)これからの大学入学者選抜;流通問題としての高等教育・教育測定の妥当性と信頼 (小杉1)労働力需要と大学教育 (小杉2)新規学卒採用プロセスの現状と課題 (小杉3)新卒就職外の以降と高等教育の役割 (大森1)国際化とグローバル化 (大森2)高等教育の変容と国際化 (大森3)システム・機関両レベルの国際化戦略 (大森4)国際化する高等教育の質保証 |
授業の方法 | 授業の方法:講義及びディスカッション |
教科書・参考書 | 教科書: (荒井)教科書の指定はしない。 (小杉)当面、「大卒就職の変化と未就職卒業者支援」『学卒未就職者に対する支援の課題』労働政策研究報告書No.141(下記HPよりダウンロードのこと) 参考書: (荒井担当分)マーチン・トロウ(天野郁夫・喜多村和之訳)『高学歴社会の大学』東京大学出版会 1976/ 天野郁夫『試験と学歴』リクルート 1986/ 竹内 洋『選抜社会』リクルート出版 1988/ 荒井克弘・橋本昭彦編著『高校と大学の接続』玉川大学出版部 2005 関連ホームページ: http://www.jil.go.jp |
成績評価方法 | 成績評価方法:3回の試験を受験し、その成績による。成績評価は3回の試験の平均値により算出する。 |