開講予定 | 冬学期 |
担当教員 | 小方 直幸、 吉田 文、 堀 有喜衣 |
授業の目的・概要 |
この授業では、専門職大学院、大学から職業への移行、大学教育と能力形成の3領域を取り上げる。専門職大学院については、日本の大学院制度が第二次世界大戦後に整備されたこと、それが研究者養成を目的としていたこと、90年以降に大学院における専門職業人の養成という概念が浮上し、その課程で専門職大学院が制度化されたという政策形成過程の理解、プロフェッショナル・スクール先進国のアメリカ、その途上国の中国を対象に、それぞれの社会がどのような観点からプロフェッショナル・スクールを必要とするかについての理解、日本における専門職大学院修了者に対する社会的な認知について各種のデータをもとに検討し、その欧米や中国との差異の検討、日本の専門職大学院在学者を対象とした調査をもとに、専門職大学院教育の効用がどこにあるのかを検討するとともに、日本社会における専門職大学院のレーゾンデートルについての考察を行う。大学から職業への移行については、学校から職業への移行には様々なパタンがあり、今日の日本の大卒就職はそれほど長い歴史を持つものではないことや、日本の学校から職業への移行の典型例である高卒就職について学び、大卒就職像を相対化し、海外の大学生の学校から職業への移行のありようについて、特に労働市場との関連から整理し、調査研究から日本の大卒の就職の実態と課題を把握した後、多くの課題を抱える日本の大卒就職に対してどのように働きかけていくのが望ましいのか、メリットとデメリットを勘案しつつ、提言をまとめる。大学教育と能力形成については、世界的に学習成果が注目されるようになっている事実とその背景を概観した後、日本の大学生の学力問題がどのように論じられてきたかを整理し、コンピテンス概念や汎用的能力を批判的に考察する。
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授業計画 |
堀1:日本の大卒就職を相対化する(1) 堀2:日本の大卒就職を相対化する(2) 堀3:日本の大卒集力の実態と課題 堀4:日本の大卒就職の今後を展望する 堀5:試験 吉田1:日本の大学院における専門職大学院制度 吉田2:アメリカのプロフェッショナル・スクール、 中国のプロフェッショナル・スクール 吉田3:専門職大学院修了者の社会的処遇 吉田4:専門職大学院の学生の能力形成 吉田5:試験 小方1:学習成果重視とその背景 小方2:学力問題の論じられ方 小方3:コンピテンス概念の再検討 小方4:学問と汎用的能力 小方5:試験
以上は予定であり、順序や内容の入れ替えが生じることもある。 |
授業の方法 | 講義及びディスカッションによる。 |
教科書等 | 特に指定なし。使用する分検討は授業時に提示・配付する。 |