【土曜 3時限】
担当講師: 両角 亜希子
授業の目的・ねらい
大学経営論は大学経営について基本的な知識を習得するとともに、その現代的な課題について各自の問題意識を発展させることを目的とする。
教育力の向上や国際化などの大学改革を進めるためには、大学のガバナンスを変革することが必要だという議論が20年ほど続いている。学長のリーダーシップ強化(1995年中教審答申)、国立大学の法人化(2004年)、理事会の機能強化(2004年私学法改正)、教授会規定の改正(2014年学校教育法改正)等の政策も実行されているものの、期待されるような大学改革の成果に結び付かず、長年、同じような議論が繰り返されている。一連の改革で何が変わり、何が変わらないのか。なぜうまくいかないのか。全学的な大学改革を進めるために本当に必要なポイントは何なのか。
今年度は必要な知識を講義、文献購読から得つつ、事例研究を通じて、各自の問題意識と考察を深めたい。大学の設置形態、規模などの特徴によって、課題や効果的な解決策は異なるため、様々なタイプの大学について取り上げる。履修者による事前学習、討議への参加が授業にとって重要であるので積極的に参加してほしい。
内容
回 | 日にち | テーマ | 文献 | |
1 | 4月11日 | ガイダンス、授業の進め方、イントロ 自大学の課題について | ||
2 | 4月18日 | 講義 | 大学経営の課題① | |
3 | 4月25日 | 講義 | 大学経営の課題② | |
4 | 5月2日 | 文献購読 | 日本の私立大学の改革事例 | 日本私立大学協会2014 |
5 | 5月9日 | 文献購読 | アメリカの大学経営の概要 成功事例の検討 | 中山1988、谷2006 ケラー2013 |
6 | 5月23日 | 文献購読 | 大学組織の特徴 | バーンバウム1992 |
7 | 5月30日 | 宿題+GW+全体討議 | 【宿題】バーンバウムのモデルを自大学にあてはめて考えてみる | |
8 | 6月6日 | 講義 | 大学経営の課題③ (中間レポート提出日) | |
9 | 6月13日 | 特別講義 | 仮:大学の組織構造と教育改革 (筑波大学金子元久教授) | |
10 | 6月20日 | 宿題+GW | 東洋大学と近畿大学の事例分析・質問事項の明確化 | |
11 | 7月4日 | 特別講義 | 東洋大学の事例研究 (東洋大学国際部長高橋清隆氏) | |
12 | 7月11日 | 特別講義 | 近畿大学の事例研究 (近畿大学広報部長世耕石弘氏) | |
13 | 7月18日 | レポート発表会 |
※5月16日(五月祭)、6月27日(高等教育学会)は休講
指定文献
日本私立大学協会2014『大学マネジメント改革』ぎょうせい
中山茂(1988)『アメリカ 大学への旅-その歴史と現状』リクルート出版より、「1.大学の表通り-歴史を追って」(9-109頁)
谷聖美(2006)『アメリカの大学-ガヴァナンスから教育現場まで』ミネルヴァ書房より、「第1章 アメリカの大学、その概要」「第2章 大学の組織と財政」「第3章 教員組織と人事システム、および教員の職務」(1-94頁)
ジョージ・ケラー(2013)『無名大学を優良大学にする力』学文社
ロバート・バーンバウム1992『大学経営とリーダーシップ』玉川大学出版部
文献購読の進め方
・内容紹介(ポイントを簡潔に)、コメント、全体討議
成績評価
授業の中での発表1回(3割)、討議への参加(授業への貢献)(4割)、宿題・最終レポート(4割)をおおよその目安に総合的に評価する。
レポート
日本の大学(勤務先でもよい)を1校とりあげて、①あなたが考える問題点を指摘し、②ベンチマーク校との比較を通じて、③その解決策を論じてください。
①中間レポート1
6月6日に、事例校、ベンチマーク校、どういう課題を扱うのか、資料収集の状況と今後の予定について、A4 1枚程度(両面可)の中間レポートを提出。
②中間レポート2
最終版で出す予定のものをまずは、7月11日の授業時に、まず提出してください。
すぐに何点か優秀レポートを選びますので、選ばれた方は18日の授業で発表をお願いします。
選ばれなかった場合も、A4 両面1枚でエッセンスをまとめて、17日の14時までにコース事務室に送ってください。授業で配布します。
③最終レポート
7月18日に②のレポートにコメントをつけて返却しますので、それをうけて可能な範囲で修正して、7月30日にメールで最終版を提出してください。(コース事務室宛)
分量は、A4で4-5枚程度。