授業・履修情報

2016年度シラバス

大学経営論

【土曜開講】

講師:両角 亜希子  

授業の目的・ねらい

 大学経営論では、大学の組織、経営行動について基本的な知識を習得するとともに、その現代的な課題について各自の問題意識を発展させることを目的とする。

 教育力の向上や国際化などの大学改革を進めるためには、大学のガバナンスを変革することが必要だという議論が20年ほど続いている。学長のリーダーシップ強化(1995年中教審答申)、国立大学の法人化(2004年)、理事会の機能強化(2004年私学法改正)、教授会規定の改正(2014年学校教育法改正)等の政策も実行されているものの、期待されるような大学改革の成果に結び付かず、長年、同じような議論が繰り返されている。一連の改革で何が変わり、何が変わらないのか。なぜうまくいかないのか。全学的な大学改革を進めるために本当に必要なことは何か。こうした問いについて、それぞれの答えをみつけていきたい。

 今年度は、講義を中心に進める。授業中の質問や問題提起なども歓迎であるし、こちらからあてて発言を求めることもあるので、ぜひとも積極的に参加してほしい。


講義日程と内容

 以下の内容を予定しているが、受講生の関心等をふまえた微修正はありうる。

 

日にち

テーマ

1

49

ガイダンス、イントロ、発表グループの決定

2

416

大学のガバナンス(1)枠組み

3

423

        (2)国立大学

4

430

        (3)私立大学

5

57

        (4)アメリカ

6

521

大学組織論 (1)大学組織に関する理論

7

528

      (2)リーダーシップ

8

64

      (3)組織編成原理

9

611

<特別講義> 

矢野眞和先生(東京工業大学名誉教授、東京工業高等専門学校特命教授)

『大学の条件-大衆化と市場化の経済分析』(東京大学出版会、201512月)を読んできたうえで、参加すること(修了生にも講義を開放)

10

618

学生による発表①

11

72

学生による発表②

12

79

大学の経営 (1)IR、中長期計画

13

716

      (2)大学経営人材

14

723

最終試験

 

514日(五月祭)、625日(高等教育学会)は休講

 

学生による発表

 大学のガバナンス改革について、日本、アメリカ以外でも多くの国で行われている。その背景、内容についてまとめたうえで、日本への示唆について論じる。国別にグループを作って、グループ単位で発表してもらう。イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国、台湾など。

レポート

 <内容>

 初回で書いてもらう下記の内容について、講義、自主学習を通じて、さらに深めて、書いてもらいます。

 

大学改革の推進、大学経営の高度化という観点から、①いま、大学で起こっていること(お勤め先など個別大学のことでも、特定の国レベルのことでもかまいません)、②それに対するあなたの考えを書いてください。

 

<締切>

①中間レポート… 610

 テーマを深めるうえで、ご自身が必要だと思った本や論文を読み、その内容を要約し、どのような点で示唆を得たのかをまとめてください。

 図書館やインターネット等を通じて、本、論文を探してもらえればと思いますが、見当がつかないという方は、『IDE 現代の高等教育』などの特集を1冊読んでみるところからはじめてもよいかもしれません。

 7月上旬をめどに、レポートへの講師からのフィードバックを行います。

 

②最終レポート… 820

 講師からのフィードバック、さらなる自主学習を経て、上記のテーマについて書いてください。分量は自由(ミニマム水準は、A4で4-5枚)。

 

<提出先>

コース事務室にメールで、ファイルを送ること。

メールの件名に、「大学経営論 レポート提出」と明記し、ファイル名に自分の名前を入れること。

 

参考文献

毎回の講義の際に指示する。

 

成績評価

授業での発表・貢献度(3割)、試験(4割)、レポートの発展度(3割)をおおよその目安に総合的に評価する。最終試験は、講義の内容から出題する。