授業・履修情報

2018年度シラバス

大学経営政策各論(3)

 開講日時:2018年度S1S2(夏学期) 土曜14:5516:40105分)

教室:本郷キャンパス赤門総合研究棟A200教室

単位数:2単位

 

【担当教員】

中田晃(大学経営・政策コース非常勤講師、公立大学協会事務局長)

伊地知寛博(大学経営・政策コース客員教授、成城大学社会イノベーション学部教授・学部長)

五島敦子(大学経営・政策コース私学研修員、南山大学教職センター教授)

福留東土(大学経営・政策コース准教授)

 

【授業題目】

大学と地域の関係について、政策、連携、実践等の視点から講義を行う。

 

【授業の目標・概要】

(中田担当分)

平成期に入り急増し、地域の高等教育において存在感を増している公立大学について、その設置政策の概要を把握するとともに、法人化、評価、財政・経営課題等の特徴について国私立大学とも比較しながら理解することを目標とする。その上で、地方自治と大学自治の接点にある公立大学が、その特性を活かして地域の高等教育にどのように役割を果たすことができるのか考える。

(五島・福留担当分)

アメリカにおける大学開放の理念と歴史を学んだうえで、大学開放部局の組織・運営のあり方と今日的課題を理解することを目標とする。とくに州立大学に焦点を当て、継続高等教育と地域連携事業の事例を検討することを通じて、社会に開かれた大学づくりのために何が必要かを考える。

(伊地知担当分)

大学における研究・教育活動や研究成果と育成された人材の地域における活用という観点に焦点を置き、地域科学技術・イノベーション政策も踏まえつつ、地域に関連した大学における政策や経営の概要について理解することを目標とする。なお、その基盤として、研究やイノベーションのシステム、その推進を図る科学技術イノベーション政策等の概要についても理解する。

 

【授業のキーワード】

公立大学の経営政策、大学開放、大学と地域科学技術・イノベーション(Governance and Management of Public Universities, University Extension, Community Engagement, University and Social Innovation, Science/Technology and Community

 

【授業計画】

(中田担当分)

1.平成期の公立大学の設置政策 4/7

2.公立大学の法人化と評価 4/14

3.公立大学の財政・経営課題 4/21

4.地域の高等教育に果たす役割 4/28

 

(五島・福留担当分)

1.アメリカにおける大学開放の理念と歴史 5/12

2.アメリカにおける大学開放部局の組織・運営 5/26

3.継続教育と地域連携事業の事例研究 6/9

4.ランドグラント・カレッジとエクステンション 6/16

 

(伊地知担当分)

1.研究システム,イノベーション・システム 6/23

2.科学技術イノベーション政策;地方制度,地域政策 6/30

3.産学官連携,知識移転;地域クラスター 7/7

4.地域科学技術・イノベーションと大学 7/14

 

【授業の方法】

主に講義による。授業の一部で事例調査、グループディスカッションを行う。

 

【成績評価方法】

レポートおよび授業参加による。レポート課題については各講師担当分の最終回に通知する。課題通知から3週間後までにメール添付にてコース事務室に提出すること。提出先アドレスは追って指示する。

 

【教科書】

特に指定しない。授業で資料を配布する。

 

【参考書】

●五島・福留担当分

五島敦子『アメリカの大学開放―ウィスコンシン大学拡張部の生成と展開』学術出版会、2008年。

上杉孝實,香川正弘,河村能夫編著『大学はコミュニティの知の拠点となれるか-少子化・人口減少時代の生涯学習』ミネルヴァ書房、2016年。

●伊地知担当分

国立国会図書館調査及び立法考査局(編)2011『科学技術政策の国際的な動向[本編]』(小林信一「科学技術政策とは何か」,pp.734/伊地知寛博「基本的枠組みと予算・租税」,pp.135168).

国立国会図書館調査及び立法考査局(編)2012『国による研究開発の推進―大学・公的研究機関を中心に―』(小林信一「公的研究開発の現状と課題─本調査研究のねらい─」,pp.519/伊地知寛博「科学技術政策におけるビジョン形成と課題同定─総論─」,pp.2135/下田隆二「研究活動を担う基盤としての大学・公的研究機関─総論 ─」,pp.8398/林隆之「国の研究活動における大学の役割」,pp.99111/小林信一「研究開発におけるファンディングと評価─総論─ 」,pp.149173).

これら以外に,科学技術イノベーションの状況を示す報告書や統計等については,授業の中において指示する.

 

【履修上の注意】

毎回の講義に必ず出席し、課題をすべて提出すること。

以上