開講時限:A1/A2 土曜4限(14:55~16:40)
講師:両角 亜希子
松下 佳代(非常勤講師、京都大学高等教育研究開発推進センター・教授)
浅野 茂 (非常勤講師、山形大学学術研究院・教授)
佐藤 浩章(非常勤講師、大阪大学全学教育推進機構・准教授)
TA: 森田尚子、蔡令儀
授業の目標、概要
大学が教育目標を達成するために、教学マネジメントを確立させることが求められている。教育目標に基づき、体系的で組織的な教育課程を編成し、目標に即して学習成果を把握・可視化することが必要であり、そうした取り組みを行うための組織体制の整備を行うことが必要である。本講義では、4名の講師が主に下記のような観点から検討し、大学の教学マネジメントのあり方について学ぶことを目的とする。
・学修成果とは何で、それをどのように把握し、可視化するのか(松下)
・教学マネジメント、特にカリキュラムマネジメントをどのように行うのか(佐藤)
・そうした教学マネジメントを支える学内情報分析Institutional Research(IR)をどのように行うのか(浅野)
・教学マネジメントを支える教育担当理事・副学長、教職員に求められる役割や必要な能力は何か(両角)
授業のキーワード
大学教育、教学マネジメント、カリキュラム、学修成果、Institutional Research(IR)、カリキュラム
授業計画
4人の講師がそれぞれ3回ずつ担当するリレー方式で行う。
初回の授業までの事前課題(9/26両角、10/3松下、10/10浅野、12/12佐藤)が出ているので、事前課題をしたうえで、授業に臨むこと。
授業の日程とそれぞれの回の担当者は以下の通り。
9/26 両角①
10/3 松下①
10/10 浅野①
10/17 松下②
10/24 松下③
10/31 浅野②
11/7 両角②
11/28 両角③
12/5 浅野③
12/12 佐藤①
12/19 佐藤②
12/26 佐藤③
担当者別の内容は以下の通り。
(松下担当分)
学習成果(学修成果)とは何で、それをどのように把握し、可視化するのか
1)学習成果の意味とその可視化 10/3
2)プログラムレベルの学習成果の評価の方法 10/17
3)学習成果の可視化の光と影 10/24
(事前課題)
下記の文献をあらかじめ読んでおくこと(文献のコピーは9/26に配布する)
松下佳代 (2017). 「学習成果とその可視化」『高等教育研究のニューフロンティア(高等教育研究 第20集)』玉川大学出版部, pp. 93-112.
(佐藤担当分)
教学マネジメント、特にカリキュラムマネジメントをどのように行うのか
1)教学マネジメントの構造-4層モデルとPDCMサイクル- 12/12
2)カリキュラムの設計-4つのポリシーの策定と一貫性構築- 12/19
3)カリキュラムの評価とメタ学習-カリキュラム再設計に向けたプロセス- 12/26
(事前課題)
1)2)3)について準備しておくこと。事前課題1)に必要な文献のコピーは、9/26に配布する。
1)事前課題:下記の文献をあらかじめ読んでおくこと。
佐藤浩章(2019)「教学マネジメントの構造-システムとしての4層モデルの提案-」『IDE-現代の高等教育』Vol.612、pp.20-25、2019年7月号
2)事前課題:所属組織の4つのポリシー(DP:ディプロマポリシー、CP:カリキュラムポリシー、AP:アドミッションポリシー、CAP:カリキュラムアセスメントポリシー)を調べて講師とクラスメートに説明できるようにしておくこと(講師への提出資料は不要)。全学レベルのものでも、各学位プログラムレベルのものでも構わない。
3)事前課題:所属組織のカリキュラム評価の実施状況ならびに評価結果を調べて講師とクラスメートに説明できるようにしておくこと(教員への提出資料は不要)。
注 1)2)3)のいずれの課題においても、所属組織に関する当該情報が得られない場合がある。その場合は、情報収集にあたって何を行い、どこまでの情報が得られて、どこからの情報が得られなかったのかという、課題遂行のプロセスを説明できるようにしておくこと。
(浅野担当分)
担当講義の目標: IRとは何か、なぜ必要とされ、何が出来るのかについて、実践を交えて理解する
1)IR概論:定義、政策動向、日本の大学の現状 10/10
2)IR実践:データ収集と分析 10/31
3)IR実践:データ活用とレポーティング 12/5
(事前課題)
初回講義までの事前課題として「所属組織のIRの現状を整理し、講師とクラスメートに説明できるようにしておく」こと。
(両角担当分)
担当授業の目標:教学マネジメントを支えるために必要な人材について考え、理解を深める
1)上級管理職の役割 9/26
2)教員の役割 11/7
3)職員の役割 11/28
(事前課題)
4名の講師の授業の全体にかかわる内容であるため、文部科学省の「教学マネジメント指針」(各自、ウェブサイトから入手)を読み、感じたことを「A4 1枚以内(片面でも両面でも可、一番上に名前を記載)」にまとめて、初回の授業(9/26)で提出すること。
授業の方法
主に講義形式で行うが、部分的にグループディスカッションやプレゼンテーションを取り入れる。それぞれの担当講師の指示に従うこと。
成績評価方法
平常点とレポートによる。各講師担当の最終回においてレポート課題を出す。
レポート課題は初回の授業でアナウンスする。
教科書
とくに指定しない。授業で資料を配布する。
参考書
下記の参考論文、参考書の他、必要に応じて、授業の中でアナウンスする。
(松下担当分)
【論文】
1.松下佳代 (2017). 「学習成果とその可視化」『高等教育研究のニューフロンティア(高等教育研究 第20集)』玉川大学出版部, pp. 93-112.
2.Matsushita, K., Ono, K., & Saito, Y. (2018). Combining course- and program-level outcomes assessments through embedded performance assessments at key courses: A proposal based on the experience from a Japanese dental education program. Tuning Journal for Higher Education, 6(1), 111-142. doi.org/10.18543/tjhe-6(1)-2018pp111-142
【参考書】
3.Suskie, R. (2009). Assessing student learning: A common sense guide (2nd ed.). San Francisco, CA: Jossey-Bass.サスキー, L. (2015).
『学生の学びを測る―アセスメント・ガイドブック―』 (齋藤聖子訳) 玉川大学出版部.
4.Banta, T., & Palomba, C. (2015). Assessment essentials: Planning, implementing, and improving assessment in higher education (2nd ed.).
San Francisco: Jossey Bass.
(浅野担当分)
【論文】
浅野茂(2016)「データベースの構築とIRの課題」『高等教育研究におけるIR(高等教育研究 第19集)』玉川大学出版部, pp. 49-66.
浅野茂(2017)「米国におけるIR/IEの最新動向と日本への示唆」,京都大学高等教育研究,第23号,pp. 97-108.
浅野茂(2019)「山形大学におけるカリキュラム・マッピングの実践」,IDE現代の高等教育,Vol.612,pp. 41-45.
※いずれもPDF原稿を提供可能
【参考書】
小林雅之・山田礼子編(2016)「大学のIR:意思決定支援のための情報収集と分析」慶應義塾大学出版会
履修上の注意
授業日程をよく確認の上、毎回の講義に出席し、課題をすべて提出すること。
関連ホームページ
とくにない。
その他
とくにない。