授業・履修情報

2022年度シラバス

大学経営政策各論(3)

開講学期:2022年度夏学期(S1S2

開講時間:毎週土曜 16:5018:35

授業形態:ハイフレックス方式(対面とオンラインの併用)

 

※本授業の実施形態について

この授業では、受講生は対面、オンラインのどちらでも受講可能です。対面受講の場合、オンライン受講者とのディスカッションが入ることがあるので、必ずデバイスとイヤホンを持参して下さい。Wifiについては、正規大学院生はUTokyo Wifiを利用可能です。科目等履修生はコースで準備するモバイルWifiを使用可能です(モバイルWifiルータを持っている人は持参して下さい)。オンライン受講の場合はどこから接続してもらっても構いませんが、ディスカッションが多いので静謐な環境で受講することを勧めます。対面、オンラインどちらで受講するかを事前に連絡をする必要はありません。週によって受講形態を変えることも差し支えありません。

 授業中、受講生の声が聞き取りにくいなどの支障がある場合は遠慮せずに発言して下さい。対面、オンラインどちらでもスムーズに受講でき、共通の質を確保したいと思いますので、受講生の皆さんに協力してもらいながらそれを実現したいと思います。

 

LMS

Google Classroomを用いる。

 

<オンライン授業>

Zoomを用いる。

 

<担当教員>

福留東土(大学経営・政策コース教授)

深堀聰子(九州大学教育改革推進本部教授/大学経営・政策コース客員教授)

 

TA

栗原郁太(D2),長沢誠(D2),鈴木拓人(D1),吉岡香奈(D1),高本尽(M2) 

 

<授業の趣旨>

教養教育は学士課程教育の重要な一部を占め、その重要性が認識されてはいるものの、日本の大学においてその位置づけはこれまで曖昧であり、有効な教育内容と方法、マネジメントについて十分に明らかにされてはいない。

その一方、国内の大学では、教養教育に関わる多様な取組が進められ、個性的な教育を行う大学が少なからず存在する。

本授業では、教養教育に対して理論的にどうアプローチすればよいかについて検討した後、教養教育に関する優れた実践を行っている大学をケーススタディとして複数取り上げて学生間で調査を行うとともに、ゲスト講師を招いて講義とディスカッションを行う。カリキュラムを中心とする学生教育システムの体系をどう構築するか、教職員・学生の組織編成や教育職能開発をどのように実装するかというカリキュラムとマネジメントの二つの側面に焦点を置く。ケーススタディの対象とする大学は以下の5大学である。

国際教養大学、東京工業大学、国際基督教大学、九州大学、立命館アジア太平洋大学

 また、7月に実施するゲスト講義の講師は以下の通り。

 

岩切正一郎先生(国際基督教大学長)

上田紀行先生(東京工業大学副学長(文理共創戦略担当))

鏑木政彦先生(九州大学副学長・共創学部長)

熊谷嘉隆先生(国際教養大学理事・副学長)

米山裕先生(立命館アジア太平洋大学副学長)

 

<授業の目的>

教育学研究を志す大学院生、大学職員や経営・政策担当者などの実務者の双方が、教養教育に関する理念的・実践的な理解を深め、それぞれの立場を活かして、多様な観点に立って知見を学び合うことを目的とする。受講者のグループを編成し、学期を通してグループ内での学び合いを重視する。

 

<キーワード>

教養教育、学士課程教育、カリキュラム、教学マネジメント

Liberal Education, Undergraduate Education, Curriculum, Management of Teaching and Learning

 

<授業計画>

5つの大学(国際教養大学、東京工業大学、国際基督教大学、九州大学、立命館アジア太平洋大学)のケーススタディを授業の中心的な内容とする。学期前半で、グループによる文献・資料調査と知見共有、および講師陣による指導・コメント、後半で、ゲスト講師による講義とディスカッションを行う。また、学期前半は、講師たちが過去に行った授業録画とその資料、関連論文を活用したオンデマンド講義を通して理論的な理解を深める。

1

4/9

導入講義 ケーススタディの説明

2

4/16

ケーススタディの希望提出・グループ編成と打合せ

3

4/23

チーム別討議 チーム内分担決め

(休講)

4/30

GW前後でチームごとに個別に相談し、プレゼンを準備

+オンデマンド講義を視聴

(休講)

5/7

4

5/14

グループ別討議

5

5/21

学生によるプレゼン・Q&A①:東京工業大学

6

5/28

学生によるプレゼン・Q&A②(高等教育学会のため時間変更の可能性あり):立命館アジア太平洋大学

7

6/4

学生によるプレゼン・Q&A③(大学教育学会のため時間変更の可能性あり):国際教養大学

8

6/11

学生によるプレゼン・Q&A④:九州大学

9

6/18

学生によるプレゼン・Q&A⑤:国際基督教大学

(休講)

6/25

オンデマンド講義視聴(比較教育学会のため休講) 

10

7/2

ゲスト講義①:上田紀行先生(東京工業大学副学長(文理共創戦略担当))

11

7/9

ゲスト講義②:米山裕先生(立命館アジア太平洋大学副学長)

12

7/16

ゲスト講義③:熊谷嘉隆先生(国際教養大学理事・副学長)

13

7/23

ゲスト講義④:鏑木政彦先生(九州大学副学長・共創学部長)

14

7/30

ゲスト講義⑤ 岩切正一郎先生(国際基督教大学長)*対面でのご参加

8月下旬~9月上旬:成果報告会(ケーススタディ対象校の関係者を招待)

 

  • できるだけ学生が主体的に作る授業とする。
  • そのためにTA5名貼り付け、それぞれのグループに配置し、取りまとめ役を担う。定期的にTA会議を行い、グループの活動について教員に報告しつつ、学生と教員の間をつなぐ。流れに乗っていない学生がいればケアする。
  • ゲスト講師には「学生によるプレゼン・Q&A」をビデオ収録して視聴いただき、また予め質問を送り、質問に答える形で講義をお願いする。ゲスト講義の際は講義の後、受講生と質疑応答を含めた対話を行う。
  • 各ケースに関する先行研究はすべて担当グループでカバーすること
  • オンデマンド講義については、視聴後、感想や質問をシートに書いて提出すること

 

<授業方法>

講義、グループディスカッション、ゲストとの質疑応答を併用する。

通常授業はハイフレックス方式(オンラインと対面での受講を選択可能)で実施する。数回分の授業はオンデマンド方式(過去の授業録画、および一部その補足動画)とする。

 

<成績評価方法>

期末レポート、および授業への貢献度によって評価する。

 

<教科書>

深堀聰子編『アウトカムに基づく大学教育の質保証 : チューニングとアセスメントにみる世界の動向』東信堂、2015

小方直幸編『大学マネジメント論』放送大学教育振興会 2020

大学経営・政策コース編『大学経営・政策入門』東信堂、2018

福留東土「専門教育の視点からみた学士課程教育の構築」『大学論集』 (41)2010

 

<参考書>

福留東土・戸村理・蝶慎一編『教養教育の日米比較研究』高等教育研究叢書第158号、2021

 

<参考>

ケースごとに考えられる主な論点

  • 歴史的経緯
  • 建学の精神と教育理念
  • カリキュラム、学生支援・学習支援
  • 準正課、学寮生活、課外活動
  • 教員組織、教員人事
  • 入学者選抜、学生層、就職
  • 国際化、社会・地域交流

・・・人数と希望、対象大学の特質により調整する