授業・履修情報

2022年度シラバス

大学経営政策各論(4)

開講時限:土曜日・4限(1455分~1640分)

 

講義内容

高等教育財政と大学の財務戦略・行動

 

担当講師・TA

担当講師

両角亜希子(大学経営・政策コース 教授)

林隆之(大学経営・政策コース 客員教授・政策研究大学院大学 教授)

浦田広朗(大学経営・政策コース 非常勤講師・桜美林大学 教授)

 

TA

M2 中村智治

M1 羅玉テイ

 

授業の目標、概要            

大学の教育研究活動を支え、さらに発展させていくためには、財政基盤の確立が不可欠です。日本あるいは諸外国において、どのような高等教育財政システムになっており、どのような特徴や課題があるのか。また個別大学の財務戦略・行動を支える仕組みやその実態はどのようになっているのか、考えます。

 

授業計画             

この授業では、3名の教員が4回ずつ、講義を順番に担当します。

 

内容と日程の案は以下の通り。(UTASから日程が変更になっているので注意)

10/15 両角①、

10/22 林①、11/5 林②、11/12 林③、11/19 林④、

11/26 浦田①、12/3 浦田②、12/10 浦田③、12/17 浦田④、

12/24 両角②、1/7 両角③、1/21 両角④

 

それぞれの担当分で扱う内容は以下の通り。

(林担当分)

大学へのファンディング、とくに、国立大学の運営費交付金の問題について、諸外国との比較や大学評価との関係などを扱います。

 

  • 日本における運営費交付金および競争的資金の制度・変遷・課題
  • 諸外国における経常予算の配分の現状 - 実績配分(performance based funding)・契約(compact)
  • 大学評価と資金配分の関係
  • 評価・資金配分の指標・測定の課題

参考文献

  • 林ほか(2020)「大学評価と運営費交付金配分の一体的改革の在り方」SciREX ワーキングペーパー.http://doi.org/10.24545/00001809
  • 林ほか(2021)「研究成果指標における多様性と標準化の両立 - 人文・社会科学に焦点をおいて -」SciREX ワーキングペーパー. http://doi.org/10.24545/00001816

 

(浦田担当分)

高等教育の費用負担(大学からみれば資金調達)の現状と会計基準を踏まえて、大学への資金配分や資金活用のあり方を検討します。家計負担と学生支援に直結する授業料や奨学金の問題も、費用負担や大学財務と関連させて取り上げます。

 

(1) 政府と家計による高等教育費用負担

(2) 国立大学への資金配分と資金活用

(3) 私立大学への資金配分と資金活用

(4) 授業料と奨学金

 

(両角担当分)

授業全体の概要(高等教育財政システムと大学財務の関係など)について事前動画(授業開始までにクラスルームにアップします)で、簡単に解説したうえで、大学の会計の特徴と課題、個別大学の財務戦略・行動について講義し、個別大学の財務諸表や行動を各自が分析することを通じて学びます。教育研究等の大学の諸活動を支えるための財務基盤の強化はどうあるべきかをアメリカの事例や個別大学の事例を検討することで考えます。

教養教育をテーマに扱ったSタームの大学経営・政策各論(3)との継続性・発展性を考えて、事例として、東京工業大学、国際基督教大学を扱います。各自で財務諸表やウェブサイトで事例を調べ、事前課題を出してもらったうえで、財務を担当する理事に授業で講義いただき、質疑を行う形式で行います。高質な教育研究と強い財務基盤は不可分の関係にあり、具体事例をもとに理解を深めます。

Sタームの大学経営・政策各論(3)を履修していなかった学生が不利にならないように、必要な前提知識を共有することを考え、現在、調整中です。

 

1)大学の財務会計の課題 植草茂樹(植草茂樹公認会計士事務所)10/15

2)アメリカの大学の外部資金獲得 ゲスト講師:福井文威(鎌倉女子大学・准教授)1/7

3)事例分析①:東京工業大学 ゲスト講師:芝田政之理事 12/24

4)事例分析②:国際基督教大学 ゲスト講師:新井亮一理事 1/21

 

授業形態

ハイフレックス形式。基本的に担当講師は教室で授業を行う予定。受講生は教室で授業に参加することも、オンライン(ZOOM)で授業に参加することも可能。

教室は、初回の10/15のみ教育学部棟1158教室(当日ホームカミングデー開催のため)。それ以外は赤門総合研究棟2A200番教室。

教室で対面参加する場合、PC画面は投影するが、資料の受け渡し等はグーグルクラスルームを通じて行うため、各自でPCとイヤホンを持参することが望ましい。大学院生は東京大学wifiが使えるが、科目等履修生は、コース所有のモバイルwifiのアクセス先を使ってもらう予定。

 

授業の方法

主に講義形式で行うが、部分的にグループディスカッション等を取り入れる。それぞれの担当講師の指示に従うこと。

 

成績評価方法     

平常点とレポートによる。3名の各講師がそれぞれ成績を付けて、それらを合わせて総合的な成績とする。それぞれの担当講師が成績評価方法を説明する。

 

教科書  

とくに指定しない。

 

参考書

必要に応じて、授業の中でアナウンスする。

 

履修上の注意

授業日程をよく確認の上、毎回の講義に出席し、課題をすべて提出すること。

大学の財務会計についての初歩的知識は前提知識として求めない。