A1A2ターム 土曜日 4限目(14:55~16:40)
担当:溝上慎一・吉永契一郎・米澤彰純・阿曽沼明裕
TA:中野知也
【授業の目的】
本授業では、近年の大学・高等教育をめぐる諸問題のなかで、重要と考えられるトピックをとりあげ、そこからみえる大学・高等教育の構造と課題を中心に議論する。専門家による講義を通して専門的知識を習得するとともに、大学・高等教育の国際動向、およびそれを踏まえた各国の大学・高等教育について自ら深く考察する視野を獲得することを目標とする。
授業のキーワード:ウェルビーイング、主体的な学習、青年期の自己形成、事務職員と教員、学士課程教育、教育改善、グローバル化、ネットワーク、多様性、包摂
【授業の内容、進め方】
3名の教員が4回ずつ、講義を順番に担当する。
〇学生の学びと成長:アクティブラーニングから「主体性」「キャリア」「ウェルビーイング」へ
第1回 「幸福と呼ぶな!ウェルビーイング論」(溝上先生)
第2回 「ウェルビーイング論は既にキャリア教育として実施済み」(溝上先生)
第3回 「総論 主体性・主体的な学習」(溝上先生)
第4回 「青年期としての大学生の自己形成」(溝上先生)
〇教職員と組織、学士課程教育、教育改善
第5回 「教職協働:職員主導の日本的展開」(吉永先生)
第6回 「センター組織:教員/職員二元論の狭間」(吉永先生)
第7回 「教養教育:専門/教養二元論から統合性のある学士課程教育へ」(吉永先生)
第8回 「教育改善:これまでの成果と限界」(吉永先生)
〇大学と世界、多様性と包摂
第9回 「大学と世界を巡る現代的文脈」(米澤先生)
第10回 「大学とネットワーク」(米澤先生)
第11回 「大学と社会との関係構築」(米澤先生)
第12回 「大学における多様性と包摂」(米澤先生)
主に講義と質疑応答による。一部、グループディスカッションなどを行う場合もある。それぞれの担当講師の指示に従うこと。授業の形態(対面・オンライン等)は、ハイフレックス形式で行い、オンラインでも参加できる。
【Google Classroom】
この授業ではGoogle Classroomを用いる。受講生は必ず登録すること。授業に関わる連絡、リフレクション・シートや課題に関わる情報等のやり取りは、Google Classroom、で行う。
【リフレクション・シート】
授業では毎回、感想、疑問、意見などをリフレクション・シートに書いて提出。
【評価】
授業への参加・貢献、リフレクション・シートの提出状況と内容、各担当教員による課題レポートによる。
【教科書】
(米澤先生担当回)
・Pinheiro, R., Balbachevsky, E., Pillay, P.. Yonezawa, A. Eds. (2023). The Impact of Covid-19 on the Institutional Fabric of Higher Education. Springer.
https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-031-26393-4
・日本高等教育学会 「特集:多様性と包摂」高等教育研究28, 2025
・その他、配付資料による
【参考書】
現時点で想定しているのは以下の通り。その他、必要に応じて、授業の中で案内する。
(溝上先生担当回)
・溝上慎一 (2024). 幸福と訳すな! ウェルビーイング論: 自身のライフ構築を目指して 東信堂
・溝上慎一 (2023). インサイドアウト思考-創造的思考から個性的な学習・ライフの構築へ- 東信堂
・溝上慎一 (2018). アクティブラーニング型授業の基本形と生徒の身体性 東信堂
(吉永先生担当回)
・大場淳「大学職員の位置」『組織としての大学―役割や機能をどうみるか』岩波書店2013
・Keiichiro Yoshinaga (2023). "The Conflict Between Centralization and Decentralization of Higher Education: The Case of Educational Development in Japan" Annual Review of Comparative and International Education, 46(B): 97-116.
・西野毅朗『日本のゼミナール教育―人文・社会科学領域等の学士課程教育における学習共同体の姿』玉川大学出版部2022
・カール・ワイマン『科学立国のための大学教育改革 エビデンスに基づく科学教育の実践』玉川大学出版部2017
(米澤先生担当回)
・米澤彰純, 嶋内佐絵, 吉田文『学士課程教育のグローバル・スタディーズ : 国際的視野への転換を展望する』学士課程教育のグローバル・スタディーズ : 国際的視野への転換を展望する』明石書店 2022
・松本清張『小説東京帝国大学』新潮文庫