本コースで学ぶには

修了生からのメッセージ

林 英明(私立大学職員)

大学をめぐる環境はグローバル化や少子化により、転換期を迎えていると見ることができます。本文をご覧になっている皆さんは、こうした環境の中、それぞれの問題意識を抱えて、大学院での学びと研究に興味を持たれていることと思います。

 

   私は大学卒業後、金融機関に勤務したのちに現在の大学に勤務することとなりましたが、大学は法令も組織文化も企業とは大きく異なるため、大学のことをもっと知りたいと考えたことが、このコースに関心を持ったきっかけでした。はじめは科目等履修生として講義を受ける中で、前述したような転換期における大学運営のあり方について問題意識が芽生え、正規学生としての入学を志すようになりました。

 

   入学後、仕事をしながら授業へ出席し、課題や試験勉強、論文執筆に取り組む日々は、心身ともに厳しいものでしたが、進学を後悔したことは一度もありません。このコースで得られる新たな知識や経験は、苦しみを上回る成長の喜びを与えてくれました。そして何より、このコースで出会った学友とは、学業の場において切磋琢磨をするだけではなく、自大学の取り組みや高等教育行政の動向などについて情報交換をすることも多くあり、現在も非常に大きな存在となっています。 

 

   また、このコースで学ぶ内容は多岐にわたり、高等教育政策に関わる知識のみならず、統計・解析といった、研究に必要なスキルも学ぶことができます。こうしたスキルは論文を執筆する際に大きな力を発揮したほか、勤務先の大学においても教学IRの担当となり、実務の場面でも大いに活かされています。  

 

   皆さんの中には、受験や入学後の仕事と学業の両立などに不安を抱えている方もいらっしゃると思います。私も同じ不安を持っていましたが、幸いこのコースで学ぶ職場の先輩に背中を押してもらうことができました。本文を通じ、皆さんが新しい一歩を踏み出す決断をされることを、心より期待しております。(20164月)