「本コースは専門職大学院ではなく、修士論文・博士論文の執筆を必須とする大学院です。」コース説明会で聞いたこの言葉で私は受験を決意しました。
私は医療関係技術者を養成する大学に教員として勤務しています。私自身は工学出身ですが、医療関係技術者教育を教育学の視点から研究したいと常々考えておりました。そのためには社会科学を基盤とする教育学の研究方法を修得する必要がありました。
本コースの人材養成の大きな柱として、高い専門性を有する高等教育機関の幹部職員の養成が掲げられています。大学職員に研究は不要と考えている人もいるかもしれませんがそうではありません。大学では知識の発見(研究)と伝達(教育)を業務の基本にしています。その機関の幹部職員として経営に参画するためには大学の目的、業務、そして構成員である教員を理解することが必要です。これが本コースで研究を必須にしている理由です。一方、教員側も大学経営に関わるためには大学職員の業務、考えを理解する必要があります。本コースの授業内容は多様であり、高等教育の歴史、制度政策、ガバナンス、財務会計など高等教育に関するあらゆることを体系的に学びます。これらを通じて大学教員側も大学教育とは何かを明確化し、そして大学を支える職員を理解します。研究と教育を通じて高等教育に関わる人々を結びつける役割を担っているのが本コースだと思います。
大学院は、「自分で学び、教員から学び、そして学友から学ぶ場」です。本コースの学生は年齢もバックグラウンドも様々な人達で、「高等教育であれば何を研究してもOK」という自由な雰囲気のもと、各自が自身の関心に基づいてテーマを設定し研究を進めています。テーマはバラエティに富み、内容も刺激的です。本コースは、学友から学ぶ場として最高の場だと実感しています。
日本の高等教育研究をリードする教員陣と、そして多彩な仲間達と一緒に学んでいきませんか。(2016年4月)