センターの概要

大学経営・政策研究センターについて

センター長 金子元久(東京大学大学院教育学研究科教授)

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知識社会化、グローバル化といった流れの中で、日本における高等教育の重要性は一層高まっています。エリートからマス、そしてユニバーサル化という 拡大の過程で、社会との関係も大きく変わり、それゆえに様々な構造的矛盾が顕在化してきています。その意味で、長期的な視野にたち、高等教育のグランドデ ザインを構築しなおす作業はきわめて重要な課題になっているといえます。

しかしながら、このような現状に照らして、日本の高等教育 の実態を把握するための実証データの蓄積は不十分であり、それが議論の大きな制約となっています。本センターは、こうした問題関心のもと、平成17~21 年度科学研究費補助金(学術創成研究費*1)の助成をうけて設置されました。高等教育に関するさまざまな基礎的データを蓄積するとともに、それらのデータ を使った実証分析および国際比較を通じて、高等教育のグランドデザインをめぐる議論の基礎を提供することを大きなねらいとしています。

上記のねらいを達成するため、当センターは平成17~21年度の5年にわたり、(1)大規模・追跡調査の実施、(2)国際比較・ベンチマーキングの実施、(3)政策・制度的選択肢の析出とシミュレーションの3つを中心とした研究活動を行っていきます。

*1 「高等教育グランドデザイン策定のための基礎的調査分析」研究代表者:金子元久


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(1)大規模・追跡調査の実施

これまで十分に把握されてこなかったいくつかの問題を明らかにするため、3種類の大規模調査を実施します。広範囲にわたるサンプリングを基本とした大規模・追跡調査は、日本では実施方法そのものが研究開発の途上にあるといえます。当センターでは、これらの調査の実施を通じ、政策的議論に必要なデータベースを提供するだけでなく、効果的な調査実施方法の開発も同時に行っていきます。

(2)国際比較・ベンチマーキングの実施

知識社会化・グローバル化が進む中では、単に日本についての実証分析を蓄積するだけでなく、諸外国の動向や実証研究との比較分析が、政策的議論の基礎として不可欠です。このような観点から、当センターでは主に3種の国際比較・ベンチマーキングを進めていきます。またその過程で、各国から専門家を招き、国際ワークショップを通じた情報の共有と研究ネットワークの構築をめざします。

(3)政策・制度的選択肢の析出とシミュレーション

実証データ分析や国際比較・ベンチマーキングの結果を政策的議論につなげるため、主に3つの観点からいくつかの政策的なシナリオを抽出し、その社会的帰結についてのシミュレーションを行います。